2人の天才。『ジャン=クロード・エレナ』と『フランシス・クルジャン』

私はいま、地中海の庭にいます。
ほどよく湿気を帯びた海風にのって、草木、花々の香りが五感をくすぐってきます。
水の香り、太陽の香り、陰の香り、風の香りまでも届いてくるのです。
とは言っても、
いま実際に地中海にいる訳ではありません。
『地中海の庭』と題された「香り」を身にまとっているだけです。

香水は、
つけるものではありません。
身にまとうものです。
エコノミーは、
香水をつけようとするのです・・・
この『地中海の庭』は、
ジャン=クロード・エレナの作品です。

HERMESの「庭園のフレグランス」は、
この「地中海の庭」から始まり、現在では5作品、5つの庭が展開されています。
もちろん、全てエレナの作品です。
もうひとつ気に入っている庭が、『屋根の上の庭』。

HERMESのパリ本店の屋上には、「秘密の庭」があります。
その庭の香りを再現したのが、この『屋根の上の庭』です。

パリの空気に漂うリンゴ、洋ナシ、生い茂る草木・・・
降り注ぐ日差し、屋上を吹き抜ける風。
まさに、喜びの庭です。
その映像が鮮明に浮かび、鳥のさえずりまで聴こえ、
樹々にぶら下がっているリンゴにも手が届きそうです。
エレナは、
『屋根の上の庭』をこう説明しています。
「祝いの庭。光が降り注ぎ、思い通りにできる庭。」
この庭は、
光と喜びで満たされ、
全てが思い通りに叶う庭なのです。
私はいつも寝る前に「屋根の上の庭」を枕元につくり、
喜びに包まれ、
リンゴや洋ナシの木々を散策しながら眠りについています。
ふと目を覚ますと、
屋根の上に小鳥たちが訪ねてきているのです。
最近では、
『地中海の庭』もぴったり合う季節になりました。
本物の香りは、嗅覚に訴えるものではありません。
五感に訴えかけてくるものです。
嗅覚だけが感じ取って、五感が刺激されないものは、
偽物の香りです。
『屋根の上の庭』では、
リンゴの肌触りまでも感じ取れ、触覚さえも刺激されるのです。
その他に、私が日常的に使っているエレナの作品は、
『ジュール・ドゥ・エルメス ガーデニア』と、『ケリーカレーシュ』。
どちらもひどく気に入っています。
彼の作品は、
オードパルファムであっても、外に対して強く主張するものではありません。
むしろ、
自分自身がリラックスするための香りが殆どです。
ですから、
一人でいる時にこそ、彼の香りを好んで身にまとっています。
そしてもう1人。
紹介しておかなければならない天才が、フランシス・クルジャン。

ジャン=クロード・エレナと、フランシス・クルジャン。
この2人はどちらも天才であり、香りの魔術師です。
間違いなく、超一流。
あなたが成功の道を進むのなら、
この2人の存在は嫌でも知ることになるでしょう。
あなたは普段、「香り」の存在を意識していますか?
それが単に、
「香りが好き」という次元では、成功できません。
異次元の成功者にとって、香りは「言語」です。
お互いの香りで、会話が成立するのです。
香りが、全てです。
つまり、
あなたの香りが、あなたそのものです。
あなたは今、
そういう香りを選ぶ心を持った人間だということです。
特に日本では、
「無臭がいちばん」と思っている人が殆どです。
私も、昔はそういう人間でした。
香りをまとわないことが、いちばん楽だったのです。
それが、自然体だと感じていたからです。
実際のところ、
そらは文字通り「ラク」を選んでいただけのことです・・・
中には、「香水が苦手」という人も多いでしょう。
それは、
あなたが「本物」を知らないだけです。
あなたがワインを飲めないのなら、
あなたが本物のワインを知らないだけです。
あなたが日本酒を飲めないのなら、
あなたが本物の日本酒を知らないだけです。
あなたが日本酒が嫌いなら、
たとえば山形の「十四代」を体験してみてください。
きっと、あなたの世界が変わるでしょう。
日本酒という概念が覆されるはずです。
それと同じことであって、
無臭が一番と思っているのなら、間違いなく成功できません。
繰り返しますが、
香りは、あなたそのものです。
なぜなら・・・
あなたの思考や心が、その香りを選んでいるからです。
あなたの香りを知れば、
あなたの思考や心が分かってしまいます。
香りだけで、
会話が成立してしまうのです。
あなたが無臭なら、
あなたはそういう人間だということです。
「香りには興味がない」という人間として映るのです。
無臭を好み、
香りに興味がない人が多いのも、無理はありません。
世の中は、
偽物の香りで満たされているからです。
人ゴミの中を歩いてみれば、それは明らかでしょう。
多くの人が、品のない香りを身にまとっています。
そして、まとう量も間違えています。
そういう人間とすれ違うとき、私は息を止めます。
生理的に、受け付けられないのです。
そして彼らは、香りをまとう意味を誤解しています。
一方的に、強烈な自己主張しかしていません。
まとわずに、つけているのです・・・
それで香りの会話が成り立つはずもありません。
もちろん・・・
そういう人間は言葉の会話も成り立っていません。
互いに、自分の話したいことだけを考え、
互いの話を全く聴いていないのです。
あなたが香りを身にまとうとき、
どういう場面で、
どういう人間と会話するのか考えなければなりません。
その場に相応しい香りを、身にまとうのです。
自分の「好き嫌い」で選べる問題ではありません。
多くの人は、
自分が好きな香りを選んでいるだけでしょう。
それでは、会話にならないのです。
あなたが、
それぞれの場面に応じた美しい香りを身にまとうためには、
より多くの、「本物」を知る必要があります。
そして、
好き嫌いで選ぶのではなく、場面の意味を考えて選ぶのです。
私が愛している調香師は、2人しかいません。
ジャン=クロード・エレナと、フランシス・クルジャンです。
無臭が一番だと思っていたあなたも、
生活に「香り」を取り入れてみませんか?
あなたが無臭だと思っていても、
あなたにはあなたの家の香りが沁み込んでいます。
「無」の中に「香り」を織り交ぜることで、「変化」が生まれるのです。
そしてそれは、本物の香りでなければなりません。
あなたの五感で、2人のセンスに触れてみてください。
2人のセンスは、超一流です。
センスは天性のものではありません。
もともと与えられているセンスを、そこから更に磨き上げて宿るものです。
香りのセンスを磨くなら、
この2人のセンスに触れてみるといいでしょう。
きっと、
あなたの世界は変わります。
香りによって、
あなたが成長させられるのです。
多くの人には、
その香りは似合わないかもしれません。
超一流の香りは、
まとう人間が美しくなければ意味がないからです。
あなたが、自分には似合っていないと感じるのなら、
あなたが、似合う人間に変わればいいのです。
私は部屋だけでなく、トイレ、玄関、廊下などにも香りを与えます。
掃除を終えた完璧な状態に、香りを加えるのです。
完璧に清潔が行き届いた状態でなければ、
香りは生きません。
たとえばいま、私のトイレは、
フランシス・クルジャンの「アクア・ユニヴェルサリス・フォルテ」の香りが漂っています。

フォルテは、
アクア・ユニヴェルサリスの魅力を十倍に引き上げたものです。
清潔感に満ちた香りが、美しいトイレに違和感なく溶け込んでいます。
あなたもこのフォルテを、自分のトイレに与えてみてください。
香りに違和感を感じるのなら、
あなたのトイレが超一流ではないということです。
もちろん、私はこのフォルテを日常でも愛用しています。
あなたも間違いなく、この魅力に引き寄せられるでしょう。
真夏の日差しの下では、
あなたの肌でフォルテが弾けるように輝くでしょう。
そして、
成功の方向が分からないのなら、
「アクア・ユニヴェルサリス」に尋ねてみてください。
その香りが、
あなたが進むべき道を示してくれます。
アクア・ユニヴェルサリスが部屋に1本あるだけで、
あなたは嫌でも成長せざるを得なくなるのです。
その香りに感じるのは、
洗い立てのリネン、新鮮な空気、シワひとつないシーツ。
単に石鹸の香りという意味ではなく、どこまでも上品な清潔感です。
まるで、
シーツの肌触り、シーツを広げる音まで耳に届いてきます。
この香りを知ってしまったら、
あなたはもう手放せなくなるでしょう。
香水は第一印象で決めるものではありません。
トップからミドルを経て、ラストに至るまで、その香りは刻々と変化します。
変化を楽しみ、
その変化と付き合っていくものです。
多くの人は、
香りの第一印象、トップノートだけで選ぼうとしていますが、
それは間違いです。
トップ、ミドル、ラストでは、それぞれ全く別物です。
トップの香りは最初の数分~数十分しか持ちません。
各成分の揮発性の違いによって、時間差でさまざまな香りが姿を現すのです。
作品を最も表現しているのが、ミドルです。
しかし、
この2人に関して私が特に技巧を感じているのは・・・
ラストの、更にラスト。
ほんの微かに残る、残り香です。
その残り香の演出が、
魔術師と言わざるを得ないのです。
あなたもぜひ、
自分の素肌に残る香りを味わってみてください。
きっと、
魅了されて止まないでしょう。
そして、
2人が天才であることに納得するはずです。
2人が織り成す香りには、全く「嫌み」がありません。
どこまでも自然で、
どこまでも洗練されているのです。
街中ですれ違う香りは、
どこまでも不自然で、下品で、嫌みに溢れています。
この2人を知ったならば、
2人以外の香りを受け付けられなくなるでしょう。
私は、それほどこの2人を愛しています。
香りが好きな人はもちろん、
無臭を好む人にこそ、体感してもらいたい。
私はそう願っています。
繰り返しますが、
「香り」は成功者の共通言語であり、
「香り」はあなたそのものです。
成功する覚悟が決まっているのなら、
美しい「香り」を身にまとってください。
このブログでは、
ものごとの二面性を頻繁に取り上げています。
つまり、光と影という話です。
フランシスクルジャンには、こんな作品もあります。

「ルミエール・ノワール・プールファム・オードパルファム」
ルミエール(光)とノワール(闇)の二つの言葉をイメージし、
せめぎ合う香りでブレンドした衝撃と視覚の魔法のフレグランス。
ローズは本来、パチョリと異質なものであり、まるで光と闇のように対峙しています。
ところが二つが共になることで火花をちらし、人をふりむかせます。
対極するものが見えない糸に導かれ相対したときに生まれるのは、
ユニークで生気あふれる官能の表現なのです。フランシス・クルジャン
どういう香りか、気になりませんか?
ローズとパチョリの対峙による火花を想像しただけで、ワクワクします。
あなたもぜひ、その五感で体感してください。


エレナの作品であれば15mlの少量モデルがありますし、
クルジャンの作品であれば11mlの少量モデルもあります。
1本数万の品を容易に購入できないという方も、
少量モデルであれば1本3,000円程度ですから、これ以上の投資はないでしょう。
エルメスの場合は、自分の好きな4本を自由に選べますから、
お店でじっくり対話してみてください。
新たな香りを発見するとともに、新たな自分を発見するでしょう。
私が最近特に気に入っているのは『アミリス オム オードトワレ』。
空の色が黄色味を帯び、
オレンジ色にしっかりと染まる夕暮れ時の太陽・・・
沈みゆく太陽の暖かさを表現したフレグランスです。
太陽を香りで表現してしまう技巧・・・
もはや、
言葉を失います・・・
時を忘れ、
自分さえも忘れさせてしまう力・・・
それが、
彼らの魔力です。