節約すればするほど損をする

書店では、投資本の隣に家計本が並びます。
節約術、貯金術、お得な生活術などを集めたノウハウ本です。
コンビニでも必ずこういった本を見かけるでしょう。
トレードがハイリスクだとすれば、
節約・貯金は極めてローリスクなのかもしれません。
トレードほどのリスクはとれないけれど、少しでもお金を殖やしたい。
そんな堅実なエコノミーが、節約術を学ぶのです。
特に、
景気が低迷しているときほど節約術は人気を帯びます。
お金の流れには、収入と支出があります。
収入が増えない人は、支出を減らすことに目を向けるのです。
収入が増えないのだから、それが必然の流れです。
いくら働き続けても、給料が上がらない時代。
限られた収入の中で、無駄な支出を抑え、
将来への不安におびえながら貯金を急ぐのです。
それが、社会の洗脳です。
洗脳された社会では、節約本が飛ぶように売れます。
そして購入者のほとんどは、
「お金が足りない」と感じている人々です。
というより・・・
そんな本はエコノミーしか買いません。
収入を増やせないから、支出を減らすしかない。
収入を増やすことを考えず、支出を減らすことを考える。
その時点で既に、負組入りが確定しているのです。
死ぬまで節約生活が続くでしょう。
永遠に、
節約生活が約束されるのです。
特に日本では、
質素に生きることを美徳とする思想があります。
物が豊かでない時代に生きた先人の知恵であり、
歴史がつくりあげてきた思想です。
シンプルな生き方、ミニマムな生き方も世界で流行っています。
「お金が足りない」という思想の下で、
シンプルに、質素に生きようとしたところで・・・
シンプルな暮らしの真意は理解できないでしょう。
節約するために、モノを減らすのではありません。
モノに感謝し、モノを愛したとき、
必然とモノは減ってしまうのです。
富裕層の部屋には、全くモノがありません。
お金がない人の部屋には、モノが溢れています。
これは、いつか使うかもしれないから・・・
とっておこう。
そうやって、
捨てれないモノが積み重なっていくのです。
それが、貧乏癖です。
モノを捨てることで、それを失うことが恐ろしいのです。
実際には、
モノを捨てないことで、それ以上のモノを失います。
そのことに気付いていないのです。
モノが溢れている場所には、新しいモノは入ってきません。
物質も非物質も同じことです。
あなたの頭が間違った思考で埋め尽くされているのなら、
いつまで経っても正しい思考は入ってきません。
正しい思考を取り入れるために、
間違った思考を捨てるしかないのです。
転校生には転校生のための座席が用意されています。
新しいモノを迎え入れるためには、
モノが入るための空間を用意しなければならないのです。
ものごとを「削る」ことには限界があります。
あなたが減らせる体重にも限界があるでしょう。
支出を減らすのも同じことです。
いくら節約しようと、それには限界が訪れるのです。
言うまでもなく、
収入を増やすことに限界はありません。
それにも関わらず、なぜこれほど多くの人が、
収入ではなく支出に目を向けるのでしょうか?
今の自分にできることに全力を注ぎ、
節約術や貯金術を学んでいるというのは、負組の言い訳です。
学ぶこと、考えること、行動することから逃げているのです。
真剣に学び、考え、行動する勇気があるのなら、
支出を減らすのではなく、収入を増やすことに目を向けるでしょう。
そこには無限の可能性が秘められているのです。
支出を削って節約したところで、何の可能性も生まれません。
トレードとは、収入を増やすための一手段です。
トレードにもローリスクからハイリスクまで様々ですが、
一般的には、トレードそのものがハイリスクだと認識されているでしょう。
実際、
多くの人は株を買う勇気すらないのですから。
一方で、
節約や貯金は極めてローリスクです。
あるいは、ノーリスクでしょう。
いくら節約しようが、いくら貯金しようが、
損することはないのです。
それが、社会の認識です。
もう少し正確に言えば、負組の認識です。
節約や貯金には何のリスクも伴わない?
とんでもない・・・
節約や貯金こそ、最もハイリスクローリターンなトレードです。
いいえ。
私にとって、それはハイリスクマイナスリターンです。
節約にはリスクがつきまとうだけでなく、マイナスにしかならないのです。
節約している人は、節約のリスクを知りません。
節約によって失うモノなどあるはずもなく、
浮いた支出を貯金に回せるのだから、本人にとってはノーリスクなのです。
節約によって得られるもの。
それは「貯金」ではなく「貧しい心」です。
節約によって、貧しさが加速すること。
それが、最大のリスクです。
節約によって、測り知れない可能性を失うのです。
多くの人は、
無駄遣いを減らすことが節約だと勘違いしています。
ことあるたび、
そんな贅沢はできないと言って、我慢するのです。
節約している人々は、それが顔に出ています。
成功者は、そんな人に近づきたいとも思いません。
そうやって、
エコノミーはチャンスを逃し続けています。
運気は、
あなたの顔に書かれているのです。
本能である欲望を抑え、忍耐したとき。
その人に宿されるのは「自分にはお金がない」という認識です。
無意識のうちに、
「お金が足りない」という潜在意識を植え込んでいるのです。
あなたの脳は、あなたの潜在意識をそのまま信じます。
顕在意識に比べ、潜在意識のほうが遥かに巨大な力を秘めているのです。
節約すれば、必然と選択肢の幅が狭まります。
本来は無限にあるはずの選択肢の中から、
実際に選べる選択肢は数えるほどしか残らないのです。
この食材は高いから、別の食材にしよう。
タクシーがいいけど、バスにしよう。
ビジネスクラスがいいけど、エコノミークラスにしよう。
指定席がいいけど、自由席にしよう・・・
選択肢を切り捨てていく度に、
あなたの潜在意識は「お金がないから我慢している」と感じます。
経済的な貧しさとは「選択できないこと」です。
一方で豊かさとは、自分が好きなように「選択できること」です。
節約に潜む最大のリスクとは・・・
「選択できない」という物質的な貧しさが、
「心の貧しさ」に繋がりかねないということです。
節約するほど、自分にはお金がないという潜在意識が育ちます。
あらゆる出逢いの中で、貧しい潜在意識が邪魔をして、
無意識のうちに、選択肢を切り捨てていることに気付いていないのです。
そうやって、人生の可能性から見放されていきます。
節約に何の意味も無いと言えば、
それを勘違いして浪費に走る人がいます。
無駄遣いをすすめている訳ではありません。
お金を遣うべき場面では、惜しみなく遣うべきだということです。
節約思考が身についている人々は、
そういう場面さえも見逃しています。
目の前のチャンスに対して盲目になってしまうことこそ、リスクなのです。
お金を遣うべき場面と、そうでない場面を見極める為には、
あなたの中に明確な判断基準が必要となります。
例えば、何かを購入するとき。
それが数年先も衰えることの無い価値を有しているか否かなど、
どうでもいいことです。
金銭的判断基準など必要ないのです。
そんな基準で物事を判断したところで、つまらないでしょう。
大切なのは、自分が「成長」できるかどうか。
判断の軸は、それひとつで十分なのです。
それにお金を遣うことによって、
あなたがどのように変わることができるのか?
そして、
その変化とは、成長か?
節約に走ると、それが見えなくなります。
自分の「成長」よりも「貯金」を優先するのです。
自分の成長につながることにさえも、お金を遣わなくなる。
貧しい心が育つとは、そういうことです。
あなたは今、なにか節約していますか?
多くの人は、食費を削ることから始めます。
節約など忘れて、
たまにはジョエルロブションにでも足を運んでみてください。

最低限のプロトコルが必要でしょうし、
ドレスコードも学ばなければならないでしょう。
その時点で既に、あなたは成長しているのです。
服装も、食事の作法も、
マナーは全て「相手への思いやり」です。
あなたが美しく食事できれば、
相手も気持ちよく食事ができるでしょう。
美しい作法の中に、
相手を不快にさせないための心遣いを見るのです。
それは相手に対する感謝であり、愛です。
そして、
空間の演出、スタッフの気配り、出される料理の一品一品。
それら全てに超一流を感じ取るでしょう。

これらは決して、エコノミーのレストランでは気付けないことです。
たった一度の食事から、数え切れない学びが得られるでしょう。
ところが、節約を優先する人にとっては、
星付きレストランで食事をすることは「無駄遣い」でしかありません。
最初から、選択肢にすらないのです。
来る日も来る日も「貧しい心」で食事します。
食事が貧しいのではありません。
心が、貧しくなっているのです。
そんな人に限って、
自分へのご褒美だとか、ちょっぴり贅沢だとか言って、
中途半端に高価なモノに手を出します。
それこそ、無駄遣いです。
中途半端なモノからは何も学べません。
どうせ買うのなら、
ちょっといいモノではなく、最高にいいモノにお金を遣ってください。
それはいわば、自分自身への投資です。
あなた自身が成長できることにお金を遣えるようになれば、
あなたには自然とお金がついてくるでしょう。
なぜ、富裕層の家にはモノがないのか?
その真意も理解できるはずです。
いつもお金がないと嘆いている人こそ、
超一流を体験しなければならないのです。
ところが、お金がない人に限って、
節約を理由に、超一流の体験を自ら遠ざけています。
「安物買いの銭失い」とは、そのことです。
多くの人が安物ばかりを買い続け、銭を失い続けているのです。
お金のない人に限って、銭を失う。
そういう構造が出来上がっているのです。
例えば、1,000万もしないベンツに乗って、
それを自慢しているエコノミーが世の中には大勢います。
ベンツなら最低でも1,500万程度は出すべきでしょう。
1,000万を下回るベンツは、メルセデスとは言えないのです。
お金がない人のために、仕方なく、
数百万で買える入門モデルを展開しているのです。
メルセデスも本当は、そんなモデル売りたくありません。
客層を下げなければ生き残れない業界になってしまったのです。
そして、
エコノミー向けのメルセデスにしか乗れない人はこう言います。
「ベンツに乗ってみたけど、たいしたことない。」
安物のベンツに乗って、ベンツを知った気でいるのです。
メルセデスの真骨頂は、2,000万~3,000万クラスです。
1,000万以下のモデルに乗った人間から評価されところで、
メルセデスにとって迷惑でしかないのです。
そして、客層が下がるとマナーも下がります。
運転マナーの悪いドライバーに乗ってもらいたくないでしょう。
ブランドイメージが低下するリスクを避けたいのが本音なのです。
フェラーリが中国の割り当て台数を抑制しているのも同じことです。
品のある車を、品のない人に売りたくないのです。
幸いにも、日本という国はフェラーリから評価されていることが救いです。
何かにお金を払うとき。
その判断基準となるのは、
あなた自身の「成長」に繋がるかどうかです。
価値あるものだけに、お金を遣えるようになったとき。
「学び」や「成長」という領域を超えた次元で、
あなたの魂が震えるでしょう。
超一流レストランに足を運ぶ人々は、
なにも成長するために来ている訳ではありません。
魂の喜びのために、来ているのです。
自分の魂と、シェフの魂との対話です。

あなたがこれまで「無駄遣い」だと考えていたものは、
考え方次第で、あなた自身への投資となり得ます。
そして、お金の遣い方には「心」が現れます。
心が間違っていれば、間違ったお金の遣い方しかできません。
あなたがトレードでいくら稼いだところで、
意味のない浪費しかできないのなら、完全に負組です。
お金を稼いで、何がしたいのか?
何のために、生まれてきたのか?
あなたがトレードで成功する覚悟があるのなら、
「稼ぎ方」ではなく「遣い方」と向き合ってください。
遣い方が、あなたです。
まさか・・・
お金「さえ」あれば人生が豊かになるという思考で、
相場に臨んでいる訳ではないですよね?
そんなくだらない動機で相場をやっているのなら、
あなたは永遠に負組です。
なぜ、
生まれ、
なぜ、
お金がほしいのか?
本気で、
真剣に、
考え直してみてください。